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『2分で読める事業承継コラム』 第⑧回 キーマンは経営者! 事業承継に早めに取り組む意義

本コラムでは事業承継とイノベーションとの関連性について注目し、早くから事業承継に取り組むことの重要性を伝えています。

これまでの第1回から第7回までは事業承継をテーマにして、中小企業のおかれている現状、M&A、イノベーションとは、経営者の高齢化、事業承継とイノベーションに纏わる先行研究、実際の事例、という流れでみてきました。

第8回ではこれまでの総括として事業承継とイノベーションの関係性に関して私なりに感じたことをまとめていきたいと思います。

 

第⑧回 キーマンは経営者! 事業承継に早めに取り組む意義

事業承継問題はこれまで述べてきたように現状だけの問題ではなく、今後においても日本の大きな課題であることは間違いありません。また、日本の99.7%を占める中小企業の存続がかかった重要な課題となります。だからこそ、事業承継は国や自治体が全力をあげて取り組むべきテーマであると改めて感じさせられます。

また、事業承継というテーマの裏には様々な問題を抱えていることが挙げられます。

例えば、少子化問題、高齢化問題、日本の競争力低下、ものづくり日本の低迷、賃金高騰、地方の過疎化、etc・・・

このような問題を眺めてみると、事業承継というイベントは今すぐにでも取り組むべき重大な課題ではありながら、一概に高齢になった経営者が若手に経営を引き継ぐという単純な作業で完結する問題ではないことも明らかです。

それでも実際に経営を次世代に引き継ぐことは、企業が今後長らく存続していくためには絶対的に必要なことです。そして、引き継ぐことによってプラスの効果があることは間違いなく、その代名詞がイノベーションの創出であるといえます。

 

①事業承継による経営者若返りの効果

ここからは事業承継を行うことによる効果について少しおさらいと思います。

事業承継を行う場合、ほとんどのケースで経営者の年齢は若返ります。そして、本コラムでみてきたように経営者の年齢が若い方が新しいことに取り組む姿勢が高く、会社の業績は良いという結果が出ています。

実はこれらの結果は高齢者の経営者が劣っているからではありません。単純に若い世代の方が変化の激しい世の中に柔軟に対応し、対応するための基礎となる知識を持ち合わせているという要素が大きいからといえます。

中でもIT技術の進化のスピードは凄まじく、常に新しい技術が出てきて技術革新が進んでいるのは皆様もお分かりのことだと思います。上記のことから考えても、やはりITという視点から見れば世代が若い方が有利であることが考えられます。

少し話はそれますが、最近はDXという言葉がトレンドです。たまに耳にするのはPCやスマホの導入、ちょっとしたシステムの導入をもってDXを実施したという勘違いです。DXの本当の意味はデジタル導入を意味するのではなく、デジタルを導入することで会社(仕組み)を変革することを指しています。

ですからDXを推進するためには、会社の内部や外部の環境をしっかり把握した上で、自社の強みを伸ばし弱みを克服する為のITツールとしての導入が必要となります。

実はこのDX推進こそが事業承継のタイミングで後継者が取り組むべきプロジェクトであると考えています。あと加えて、BCP対策プロジェクトもいいかもしれません。DX同様に社内のことを把握する必要があり、ITツールを駆使する必要があるからです。

これらDXやBCPへの取り組みは、現経営者が行っても問題はないのですが、ITの利活用を考慮すると若返った後継者に任せることも策の一つであると考えます。

事業承継を行うことのメリットは他にもあります。
例えば、会社の周辺の取引先やステークホルダーを変えていくことです。会社が存続していくためには時代の流れと共に新しい関係を作っていく必要があります。

成功を収めた経営者の場合はなおのこと、今までのやり方や関係に固執してしまい、旧態依然の仕組みや関係を変えたがらない傾向にあります。今までの関係を維持しながらも新しい関係を構築していくことが会社の成長を促していくことに繋がります。

 

②事業承継とイノベーションの創出

このコラムにおいてイノベーションとは「新しい知識を利用し顧客の課題解決を行い、社会的・経済的な価値を生み出すこと」と定義しました。

新しい知識の代表的なものはITとなります。今のお客様、未来のお客様の課題を知った上でIT等の新たな技術を駆使し製品やサービスを提供し課題解決をする。そしてその課題解決策が世の中に新たな価値を生み出す。この流れこそがイノベーションであると考えます。

先行研究からは事業承継とイノベーションの関連性をみてきました。論文によっては事業承継とイノベーションの関連性に対して有意な結論が出たものもありますが、うまく結論が出なかったものもあります。

しかしながら、これまでの結果から総合的に考えると、事業承継を行うことで経営者が若返ることは間違いなく経営にプラスの効果を与え、社内に変革をもたらす可能性が高くなります。実際に小野電機製作所様では30代前半の後継者によって様々な改革が実行され、イノベーション創出の流れが出来ています。

その為にも早い段階から準備を行い、後継者に自覚を持たせることが大切であることは間違いないと考えます。そして、家族会議の開催などで現経営者と後継者の間でしっかりと承継の意思を確認することが何よりも重要です。

 

③さいごに

本コラムでは事業承継を行うためには早めに準備し実行することが大切であると結論付けてきました。ただし、結局のところ経営者自身が事業承継というイベントに関わらず、常にイノベーションの創出を意識して経営に携わることが出来るかということが一番のポイントであることは間違いありません。事業承継とは、あくまでも会社が新しいことに積極的に取り組むこと、すなわちイノベーションを起こす為のきっかけの一つにすぎないのです。

そして、経営者を支えるのが中小企業診断士の役目となります。だからこそ私達は常に世の中にアンテナを張り続け、新しい知見を身に付けながら、経営者の皆様に寄り添っていくことが必要であると改めて感じます。

本コラムは第8回をもって前半戦を終了させていただきます。この前半戦は「事業承継」が如何に社会の課題であり早期に取り組むべきことであるかを、イノベーション創出との関わりを交えて述べてきました。先行研究からみてもなかなか結論付けることは難しいテーマではありますが、自分の中で何かが見えてきた気がします。

さて第9回からは事業承継への具体的な取り組み方に関して具体的に説明していきたいと思います。

 

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